はじめてのPodcast講座

写真で解説!無料のAudacityでPodcastを編集する最初の一歩

Tags: Podcast, 音声編集, Audacity, 無料ソフト, 初心者

Podcastの録音が無事終わったら、次に必要になるのが「編集」の作業です。編集と聞くと難しく感じるかもしれませんが、最初のうちは不要な部分をカットしたり、音量を調整したりといった簡単な作業からで十分です。

この記事では、無料で使える定番の音声編集ソフト「Audacity(オーダシティ)」を使って、Podcastの音声を編集する基本的な手順を写真付きで分かりやすく解説します。

Podcast編集の必要性とは?

録音したままの音声には、話し間違いや無言の時間が含まれていることがあります。また、声の大きさがばらついていたり、意図しない雑音が入ってしまったりすることもあります。

これらの不要な部分を取り除き、聞きやすい音量に調整することで、リスナーにとって快適なPodcastになります。編集は、あなたの伝えたい内容をより効果的に届けるための大切なステップです。

無料で使えるAudacityを準備しよう

Audacityは、Windows、macOS、Linuxなど様々なOSで利用できる、無料の音声編集ソフトです。機能が豊富で、初心者からある程度慣れた方まで幅広く使われています。まずはAudacityをパソコンにインストールするところから始めましょう。

1. Audacityをダウンロードする

まず、Audacityの公式サイトにアクセスします。

(図1:Audacity公式サイトのトップページ写真)

公式サイトのダウンロードページへ進み、ご自身のパソコンのOS(WindowsやmacOSなど)に合ったバージョンを選んでください。

(図2:ダウンロードページのOS選択部分の写真)

ダウンロードボタンをクリックすると、インストーラーファイルがダウンロードされます。

(図3:ダウンロードが開始された状態の写真)

2. Audacityをインストールする

ダウンロードしたインストーラーファイルを実行します。

(図4:ダウンロードしたインストーラーファイルのアイコン写真)

画面の指示に従ってインストールを進めてください。特別な設定変更は必要ありませんので、基本的には「次へ」「同意する」「インストール」といったボタンをクリックしていけば完了します。

(図5:インストーラーの実行画面の例写真)

インストールが完了したら、Audacityを起動してみましょう。

(図6:Audacityを初めて起動したときの画面写真)

Audacityの基本画面を確認しよう

Audacityが起動すると、編集作業を行うための画面が表示されます。いくつかの重要な部分を確認しておきましょう。

(図7:Audacityの基本画面に各部名称を書き加えた写真)

まずは、この基本画面のどこに何があるのかをざっくりと把握しておけば大丈夫です。

編集したい音声ファイルを読み込もう

録音した音声ファイル(多くの場合、MP3やWAV形式)をAudacityに読み込みます。

Audacityのメニューバーから「ファイル」>「インポート」>「オーディオ」を選択してください。

(図8:「ファイル」メニューから「インポート」>「オーディオ」を選択している画面写真)

ファイルを選択するウィンドウが表示されますので、編集したい音声ファイルを選んで「開く」をクリックします。

(図9:ファイル選択ウィンドウで音声ファイルを選んでいる写真)

すると、Audacityの画面に音声の波形が表示されます。

(図10:読み込んだ音声の波形が表示された画面写真)

波形が表示されたら、編集を開始する準備ができました。

不要な部分をカットしてみよう

話し間違いや無言の時間を編集で取り除く作業は、最も基本的な編集の一つです。

1. カットしたい範囲を選択する

ツールバーの中から「選択ツール」(カーソルがI字型のアイコン)を選びます。

(図11:ツールバーの「選択ツール」アイコンを指差している写真)

トラック表示部分で、カットしたい部分の開始地点をクリックし、そのままドラッグして終了地点まで範囲を選択します。選択された範囲は色が反転します。

(図12:カットしたい範囲をドラッグして選択している状態の写真)

音声を聞きながら、波形を見て、正確な範囲を選択するようにしましょう。画面下の再生ボタンで、選択範囲だけを繰り返し再生することもできます。

(図13:選択範囲だけを再生するためのボタン位置を示す写真)

より細かく調整したい場合は、画面右下にある虫眼鏡のアイコンで波形を拡大・縮小できます。

(図14:波形を拡大・縮小するボタン位置を示す写真)

2. 選択範囲をカットする

範囲が選択できたら、メニューバーの「編集」から「カット」を選択するか、ツールバーのハサミのアイコンをクリックします。

(図15:「編集」メニューから「カット」を選択している、またはハサミのアイコンをクリックしている画面写真)

選択していた部分が削除され、残りの音声が詰まります。

(図16:カットした後の波形が表示された画面写真)

もし間違えてしまった場合は、メニューバーの「編集」から「取り消し」を選ぶか、ツールバーの左向き矢印アイコン(元に戻すボタン)をクリックすれば、一つ前の状態に戻せます。

(図17:ツールバーの「元に戻す」ボタン位置を示す写真)

このカット作業を繰り返して、不要な部分をどんどん取り除いていきましょう。

音量を調整してみよう

録音した音声の声の大きさが一定でない場合、聞きやすいように調整が必要です。特定の声が小さすぎたり、大きすぎたりする部分を調整します。

1. 音量を調整したい部分を選択する

先ほどと同じように「選択ツール」を使って、音量を調整したい範囲を選択します。

(図18:音量を調整したい範囲を選択している状態の写真)

2. 音量調整ツールを使う

メニューバーの「エフェクト」から「ノーマライズ」や「増幅」といった機能を選びます。

(図19:「エフェクト」メニューを開いている写真)

どちらの機能を使うかは状況によりますが、まずは「ノーマライズ」で音声全体の基準となる音量を整え、その後で特定の小さな声の箇所だけ「増幅」で持ち上げるといった使い方が考えられます。

音量調整を行った後の波形は、元の波形から形が変わっています。再生して聞き心地を確認しましょう。

(図22:音量調整を行った後の波形が表示された画面写真)

編集した音声を書き出そう(エクスポート)

編集作業が終わったら、この編集結果を一つの音声ファイルとして保存する必要があります。この作業を「エクスポート」と呼びます。Podcastとして配信するためには、MP3形式で書き出すのが一般的です。

メニューバーから「ファイル」>「エクスポート」>「MP3としてエクスポート」を選択します。

(図23:「ファイル」メニューから「エクスポート」>「MP3としてエクスポート」を選択している画面写真)

ファイルを保存する場所とファイル名を指定して「保存」をクリックします。

(図24:保存先の指定とファイル名を入力するウィンドウ写真)

次に、MP3ファイルの品質を設定する画面が表示されます。通常は初期設定のままで問題ありませんが、「音質」の項目で音質とファイルサイズのバランスを調整できます。迷ったら「標準 128 kbps」や「高品質 192 kbps」を選んでおくと良いでしょう。

(図25:MP3品質設定画面写真)

必要であれば、アーティスト名やタイトルなどのメタデータ(音声ファイルに含まれる情報)を入力できます。入力しなくてもエクスポートは可能です。

(図26:メタデータ編集画面写真)

「OK」をクリックすると、音声ファイルが書き出されます。

(図27:エクスポートが完了した状態を示す画面写真)

これで、編集済みのMP3音声ファイルが完成しました。

まとめ:編集の基本をマスターしよう

この記事では、無料のAudacityを使ってPodcastの音声編集を行う上での最も基本的なステップをご紹介しました。

  1. Audacityをダウンロード・インストールする
  2. 編集したい音声ファイルを読み込む
  3. 不要な部分をカットする
  4. 音量を調整する
  5. MP3ファイルとして書き出す

これらの手順をマスターすれば、あなたのPodcastはぐっと聞きやすくなるはずです。まずは短い音声で試してみて、Audacityの操作に慣れていくことをお勧めします。

Audacityには、今回ご紹介した以外にも、BGMや効果音を追加したり、ノイズを除去したりと、様々な機能があります。基本操作に慣れてきたら、少しずつ他の機能も試してみて、より魅力的なPodcast制作に挑戦してみてください。