初心者向け!写真でわかるPodcastマイクの選び方と低予算おすすめ機材
Podcastを始めたいと考えているあなたへ。
「どんなマイクを使えばいいの?」「高い機材が必要なの?」と悩んでいませんか。
Podcastでリスナーに快適に聞いてもらうためには、声の音質がとても大切です。しかし、最初からプロ仕様の高価な機材を揃える必要はありません。
この記事では、Podcast初心者の方でも、予算を抑えながら良い音質で収録するためのマイク選びの基本と、おすすめの機材カテゴリ、そして音質を向上させるちょっとしたコツを、写真を見ながら理解できるよう解説します。
なぜPodcastに良い音質のマイクが必要なのでしょうか
私たちの声は、Podcastにとって最も重要な要素の一つです。クリアで聞き取りやすい音声は、リスナーが内容に集中し、あなたのメッセージをしっかり受け止めるために不可欠です。
スマートフォンやパソコンに内蔵されているマイクでも録音は可能ですが、これらは周囲の雑音を拾いやすく、声がこもって聞こえることがあります。例えば、エアコンの音や外の騒音、キーボードを打つ音などが思った以上に大きく入ってしまうことも珍しくありません。
外部マイクを使用すると、特定の方向の音(話しているあなたの声)を重点的に拾い、周囲の不要なノイズを抑えることができます。
(図1:スマホ内蔵マイクで収録した際の波形イメージ - ノイズが多く見える箇所を指し示す) (図2:外部マイクで収録した際の波形イメージ - ノイズが少なくクリアに見える箇所を指し示す)
図1と図2のように、マイクを変えるだけで、同じ場所で話してもこれだけ波形(音の大きさや質を表すグラフ)に違いが出ることがあります。クリアな音声は、あなたのPodcastの信頼性や聞きやすさを大きく向上させます。
Podcast用マイクの基本的な種類を知りましょう
Podcastで使われるマイクにはいくつかの種類がありますが、ここでは代表的な2つをご紹介します。
ダイナミックマイクとコンデンサーマイク
マイクは音の振動を電気信号に変える仕組みが異なるため、大きく分けて「ダイナミックマイク」と「コンデンサーマイク」があります。
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ダイナミックマイク: 構造が比較的シンプルで頑丈です。湿度や衝撃に強く、大音量にも耐えられます。周囲の音を拾いにくいため、多少騒がしい環境や、声以外の音(例えばキーボードの打鍵音など)が入りやすい環境での収録に向いています。ボーカルや楽器、ライブ会場などでよく使われます。
(図3:一般的なダイナミックマイクの外観例)
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コンデンサーマイク: 非常に感度が高く、声の細かなニュアンスや空間の響きまで捉えることができます。クリアで繊細な音を録るのに適しており、主に静かなスタジオ環境でのナレーションや歌の録音に使われます。湿度や衝撃に弱いため、取り扱いには注意が必要です。電源供給(ファンタム電源と呼ばれるものや、USBからの給電など)が必要です。
(図4:一般的なコンデンサーマイクの外観例)
初心者の方が自宅で収録を始める場合、周囲の生活音などを拾いにくいダイナミックマイクか、手軽に高音質が得られるUSB接続のコンデンサーマイクが選択肢になります。ご自身の録音環境に合わせて検討してみてください。
マイクの接続方法を確認しましょう
マイクをパソコンやスマートフォンに接続する方法もいくつかあります。
USB接続とXLR接続
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USB接続: マイク本体にUSB端子が付いており、パソコンやスマートフォンに直接USBケーブルで接続できます。特別な機材(オーディオインターフェース)が不要なため、最も手軽に始められます。多くのUSBマイクは、パソコンからの電源供給で動作します。
(図5:USBマイクをパソコンに接続しているイメージ)
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XLR接続: マイク側にXLR端子が付いているタイプのマイクです。このタイプは、直接パソコンに接続するのではなく、「オーディオインターフェース」という別の機材を経由して接続するのが一般的です。オーディオインターフェースは、マイクからの音声信号をパソコンが処理できるデジタル信号に変換する役割を持ち、XLRマイクへの電源供給(ファンタム電源)も行います。音質の劣化が少なく、複数のマイクを同時に接続できるなど拡張性に優れますが、オーディオインターフェースの購入が必要になります。
(図6:XLRマイクとオーディオインターフェース、そしてパソコンの接続イメージ)
Podcastを初めて間もない段階であれば、USB接続のマイクが最も簡単でおすすめです。ケーブル一本でPCに繋ぐだけなので、すぐに録音を始めることができます。
初心者向け!低予算で始めるマイク選びのポイント
「低予算」といっても、どのくらいを想定すれば良いでしょうか。Podcast用マイクは非常に幅広い価格帯で販売されていますが、初めての一本であれば、5千円から1万5千円程度の予算でも十分に良い音質のマイクが見つかります。
この予算帯でマイクを選ぶ際のポイントをいくつかご紹介します。
- 接続方法で選ぶ: 手軽さ重視なら断然USB接続です。XLR接続は、将来的に本格的な機材にステップアップしたい場合に検討しましょう。
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指向性で選ぶ: 自分の声だけをしっかり拾いたい場合は、「単一指向性(カーディオイド)」と呼ばれるマイクがおすすめです。マイクの正面の音を最もよく拾い、後ろや横からの音を拾いにくく設計されています。これにより、部屋の反響音や周囲のノイズを軽減できます。
(図7:単一指向性のマイクが音を拾う範囲を示すイメージ図)
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レビューや評判を参考にする: 同じ価格帯でも、製品によって音質や使い勝手は異なります。オンラインストアのレビューや、Podcast関連のコミュニティで実際に使っている人の感想を参考にすると良いでしょう。
低予算でも検討できるおすすめの機材カテゴリ
具体的な製品名を挙げることは控えますが、初心者の方が低予算で始めやすいマイクのカテゴリをいくつかご紹介します。
USB接続のコンデンサーマイク
(図8:一般的なUSB接続コンデンサーマイクの例 - 卓上スタンド付きやアーム対応のものを想定)
PCに直接USBで接続でき、手軽にクリアな音質で録音できます。歌の録音にも使われるタイプなので、声の表現を豊かに拾ってくれます。多くの場合、簡単な卓上スタンドが付属しています。
USB接続のダイナミックマイク
(図9:一般的なUSB接続ダイナミックマイクの例 - 卓上スタンド付きや手に持って使うタイプを想定)
USB接続の手軽さに加え、ダイナミックマイク特有の周囲の音を拾いにくい特性があります。生活音や部屋の反響が気になる環境で収録する場合に適しています。
ヘッドセットタイプ
(図10:Podcast用途にも使えるマイク付きヘッドセットの例)
マイクとヘッドホンが一体になっているタイプです。ヘッドホンで自分の声を聞きながら(モニタリングしながら)話せるため、マイクとの距離感を掴みやすく、ハウリング(マイクがスピーカーの音を拾って「キーン」となる現象)を防ぎやすいというメリットがあります。ゲーム実況などで使われることが多いですが、Podcastにも活用できます。
ピンマイク + スマートフォン接続アダプター
(図11:ピンマイクとスマートフォン接続用の小さなアダプターの例)
服の襟元などに付けて使う小さなマイクです。スマートフォンで手軽に録音したい場合や、動きながら話したい場合に便利です。ほとんどのピンマイクは直接スマホに接続できませんが、スマートフォン用の変換アダプターを組み合わせることで使用可能になります。非常にコンパクトで持ち運びやすいのも利点です。
マイク以外に必要な機材(低予算で)
マイクだけでも録音は始められますが、より快適に、より良い音質で録るために、いくつか揃えておくと便利な低予算機材があります。
ヘッドホン(またはイヤホン)
(図12:モニタリングに適した密閉型ヘッドホンの例)
録音中に自分の声がどのように聞こえているか、ノイズが入っていないかなどを確認するために必要です。リスナーが聞くであろう音質をリアルタイムで把握できます。お手持ちのイヤホンでも代用可能ですが、密閉型のヘッドホンの方が外部の音や、マイクが拾った音をより正確に聞くことができます。
ポップガードまたはウィンドスクリーン
(図13:マイクに取り付けたポップガードの例) (図14:マイクに装着したウィンドスクリーンの例)
息がマイクに直接当たると「ボフッ」「ブツッ」といったノイズが入ることがあります(これを「吹かれ」と言います)。特にパ行やバ行を発音する際に起こりやすいです。ポップガードはマイクの前に設置する網状のフィルター、ウィンドスクリーンはマイクにかぶせるスポンジやファー状のカバーで、これらのノイズを軽減してくれます。数百円から購入できる安価なものもあります。
マイクスタンド
(図15:一般的な卓上マイクスタンドの例) (図16:デスクに取り付けるアーム型マイクスタンドの例)
マイクを手で持つと、手に触れる音や体の動きによるノイズが入りやすくなります。マイクスタンドを使うとマイクを安定させられ、常に一定の距離で話すことができます。デスクトップに置くタイプや、机の端に取り付けてマイクを口元に固定できるアーム型などがあります。
低予算機材でも音質を良くするコツ
高価な機材がなくても、少し工夫するだけで音質を改善できます。
録音する場所を選ぶ
できるだけ静かで、反響が少ない場所を選びましょう。硬い壁に囲まれた部屋よりも、カーテンや布団、本などが置かれている部屋の方が反響音(エコー)が抑えられます。意外に良いのが、洋服がたくさん詰まったクローゼットの中や前で話すことです。服が吸音材代わりになります。
マイクとの距離を適切に保つ
マイクに近すぎると息の音や低音が強調されすぎ、遠すぎると声が小さくなり、周囲のノイズを拾いやすくなります。マイクの種類にもよりますが、一般的に口からマイクまで15cm~30cm程度を目安に、いろいろな距離で試してみてください。
ポップガードなどを使用する
前述のポップガードやウィンドスクリーンは、安価ながら吹かれ音対策に非常に効果的です。
事前にテスト録音をする
実際に本番と同じように話し、録音された音声を聞いてみましょう。自分の声がどのように聞こえているか、どんなノイズが入っているかを確認し、マイクの位置や環境を調整します。このステップが最も重要かもしれません。
まとめ:まずは手軽な機材で始めてみましょう
この記事では、Podcast初心者の方が低予算で始めるためのマイク選びの基本と、おすすめの機材カテゴリをご紹介しました。
特別な知識がなくても、USB接続のマイクなど手軽な機材から十分に高品質な録音を始めることができます。難しく考えすぎず、「まずは始めてみる」という気持ちが大切です。
今回ご紹介した情報が、あなたの最初のマイクを選ぶ際の参考になれば幸いです。まずは手に入りやすい機材で、あなたの声を録音してみましょう。きっとPodcast制作の楽しさを実感できるはずです。
慣れてきたら、さらに音質にこだわって機材をアップグレードしたり、編集ソフトを使いこなしたりと、次のステップへ進んでいくことも可能です。
あなたのPodcast制作が素晴らしいものとなるよう応援しています。