無料ツールで簡単!複数人でのPodcastオンライン収録ステップガイド
Podcastを一人で録音するのも良いですが、友人や仲間と一緒に話すと、さらに楽しさが広がります。インターネットを使えば、離れた場所にいる人とでも簡単に複数人でPodcastを収録できます。
この方法を使えば、お互いの都合が良い時間に合わせて、場所を選ばずに収録が可能です。特別な機材がなくても、普段お使いのパソコンやスマートフォン、そして無料のオンライン会議ツールがあればすぐに始められます。
この記事では、初心者の方が無料ツールを使って複数人でオンラインPodcastを収録するための具体的な手順を、写真付きで分かりやすく解説します。
オンラインで複数人Podcastを収録するメリット
オンラインで複数人収録を行うことには、いくつかの大きなメリットがあります。
- 場所を選ばない: インターネット環境さえあれば、どこにいても参加できます。お互いが遠方に住んでいても問題ありません。
- 移動時間・コストがかからない: 集合する必要がないため、移動にかかる時間や交通費を節約できます。
- 手軽に始められる: 特別な専用機材を揃えなくても、手持ちのデバイスと無料ツールで試せます。
- ゲストを招きやすい: 様々な分野の専門家や興味深い活動をしている人に、気軽にゲスト出演をお願いしやすくなります。
これらのメリットを活かして、ぜひオンラインでの共同制作にチャレンジしてみてください。
複数人オンライン収録に必要なもの
オンラインで複数人収録を行うために、参加者それぞれが準備すべきものは以下の通りです。
- インターネットに接続されたパソコンまたはスマートフォン: 安定したインターネット接続がある環境が望ましいです。Wi-Fiでも構いませんが、可能であれば有線接続の方がより安定します。
- マイク: パソコンやスマートフォンに内蔵されているマイクでも録音は可能ですが、よりクリアな音質にするためには、外付けのマイクを使用することをおすすめします。手頃な価格のUSBマイクでも、音質は大きく向上します。
- ヘッドホンまたはイヤホン: これを使うことで、相手の声がマイクに再び入ってしまう「ハウリング」(キンキンという不快な音)を防ぎ、各参加者の音声を分離して録音しやすくなります。全員がヘッドホンを使用することが重要です。
- オンライン会議ツール: これから使い方を解説するZoomやGoogle Meetなど、複数人で同時に会話・録音できるツールが必要です。
おすすめの無料オンライン会議ツール
複数人でのオンライン収録に使える無料ツールはいくつかあります。今回は、多くの人が使い慣れている可能性があり、手軽に始められる以下のツールを中心にご紹介します。
- Zoom (ズーム): Web会議ツールとして非常に有名です。無料版ではミーティングの時間に制限(通常40分)がありますが、手軽に始められます。録画機能があり、ローカルに音声・映像を保存できます。
- Google Meet (グーグルミート): Googleアカウントがあれば利用できます。無料版でも比較的長時間の利用が可能で、録画機能も備わっています(※無料版の録画機能には制限がある場合や、特定の期間・地域限定の場合がありますので、最新の情報をご確認ください)。
これらのツールはPodcast収録専用ではありませんが、気軽に試す最初のステップとして十分活用できます。
より高音質な録音や、参加者ごとの音声を個別に録音したい場合は、Podcast収録専用に設計されたRiverside.fmやZencastrといったツールも存在します。これらのツールには無料プランもありますが、機能に制限があることが多いです。まずは使い慣れた会議ツールから始めて、慣れてきたら専用ツールを検討するのも良いでしょう。
この記事では、多くの人がアクセスしやすいZoomやGoogle Meetを使った収録方法を想定して解説を進めます。基本的な流れは他のツールでも共通する部分が多いです。
事前準備:ツールの設定と接続テスト
収録を始める前に、全員で以下の準備を行いましょう。
1. 使用するツールの準備
ZoomやGoogle Meetを使ったことがない場合は、事前にアカウントを作成し、必要に応じてアプリケーションをインストールしておきます。パソコンで使う場合は、アプリ版の方が機能が充実していることが多いです。
(写真1:ZoomまたはGoogle Meetの公式サイトまたはアプリストアの画面を想定) 図1のように、App StoreやGoogle Play、または公式サイトからアプリをダウンロード・インストールしてください。
2. ミーティング(会議室)を作成する
収録のホスト(主催者)となる人が、ツール上でミーティング(会議室)を作成します。事前に日時を決めておき、参加者に開始時間を伝えておきましょう。
(写真2:ZoomまたはGoogle Meetでミーティングをスケジュールまたは開始する画面を想定) 図2のような画面で、「ミーティングをスケジュール」または「新規ミーティング」といったボタンをクリックして、収録用の部屋を作成します。
3. 参加者を招待する
作成したミーティングの参加用リンクやミーティングID、パスワードなどを、他の参加者に共有します。メールやチャットツールを使って送ると良いでしょう。
(写真3:ZoomまたはGoogle Meetで招待情報を取得・共有する画面を想定) 図3のように、ミーティング作成後の画面や参加者リストから「招待リンクをコピー」などの操作を行い、必要な情報を参加者に送ってください。
4. 音声設定を確認する
各自、使用するツールでマイクとスピーカー/ヘッドホンが正しく設定されているかを確認します。これが非常に重要です。ツール内には、音声設定を確認できる項目があります。
(写真4:ZoomまたはGoogle Meetの音声設定画面を想定) 図4のように、設定画面で「オーディオ」または「音声」の項目を選び、使用するマイク(例:内蔵マイク、USBマイク名)とスピーカー(例:内蔵スピーカー、ヘッドホン名)が正しく選択されているかを確認してください。マイクの入力レベルメーターを見ながら話してみて、メーターが反応することを確認しましょう。
5. テスト通話を行う
本番収録の前に、一度参加者全員で接続テストを行いましょう。お互いの声がきちんと聞こえるか、音量に差がないかなどを確認します。
(写真5:参加者全員が接続し、画面に表示されている様子を想定) 全員が図5のように接続できたら、実際に普段の会話と同じように話してみてください。声が小さすぎたり、大きすぎたりしないか、ノイズが入っていないかなどをチェックします。ここでヘッドホンから相手の声が漏れていないか(ハウリングしていないか)も確認しましょう。必要に応じてマイクの入力レベルを調整します。
収録本番:録音を開始する
事前の接続テストで問題がなければ、いよいよ本番の収録です。
1. 録画/録音機能の使い方
収録のホストまたは担当者が、ツールの録画または録音機能を開始します。ツールによっては、参加者全員が録画を開始できる設定もあります。
(写真6:ZoomまたはGoogle Meetの画面下部にある録画/録音ボタンを想定) 図6のような画面下部にある「録画」または「レコーディング」といったボタンをクリックして録音を開始してください。録音が始まると、画面のどこかに「録画中」や「レコーディング中」といった表示が出ます。
Zoomの場合、無料版では「ローカルレコーディング」(自分のパソコンに録音データを保存する機能)のみが利用できることが多いです。Google Meetの場合も無料版での録画機能には制限がある場合がありますので、使用前に最新の機能を確認しておきましょう。
2. 話すときの工夫
オンラインでの会話は、対面よりも少しタイムラグ(遅延)が発生しやすいことがあります。スムーズな会話のために、以下の点に注意すると良いでしょう。
- 相手が話し終えてから話し始める: 同時に話し始めると、音声が重なって聞き取りづらくなり、後で編集する際にも困ることがあります。少し間を置いてから話すように意識してみてください。
- 相槌は控えめに: 音声が重なる原因になるため、頻繁な相槌は最小限にするか、声に出さずに頷くなどに留める工夫も必要です。
- 落ち着いたトーンで: 興奮して早口になったり、大声になったりすると、音声が割れたり、聞き取りにくくなったりすることがあります。マイクとの距離を一定に保ち、普段通りの落ち着いたトーンで話しましょう。
3. ノイズ対策
快適な収録環境のために、各自でできるノイズ対策を行いましょう。
- 静かな場所を選ぶ: 生活音(家電の音、外の騒音など)があまり入らない部屋を選びましょう。
- マイクのミュートを活用する: 自分が話していない間は、マイクをミュートにする(一時的に音声を遮断する)と、自分の環境音(咳払い、キーボードを打つ音など)が相手に届くのを防げます。
(写真7:ZoomまたはGoogle Meetの画面下部にあるマイクミュートボタンを想定) 図7のような画面下部にあるマイクアイコンをクリックすることで、ミュートのオン/オフを切り替えられます。
収録後:録音データの確認と受け渡し
収録が終わったら、録音されたデータを確認し、必要に応じて編集担当者へ受け渡します。
1. 録音データの保存場所
録画/録音を停止すると、ツールは録音データを自動的に保存します。保存先はツールの設定や種類によって異なります。Zoomのローカルレコーディングの場合、通常はパソコンの「ドキュメント」フォルダ内にある「Zoom」フォルダなどに保存されます。
(写真8:パソコンのファイルエクスプローラー/Finderで、Zoomの録画データが保存されているフォルダを開いている画面を想定) 図8のように、指定されたフォルダ内に、収録日時の名前が付いたフォルダやファイルが保存されているはずです。
2. データの受け渡し
収録データはファイルサイズが大きくなることがあります。編集担当者や他の参加者にデータを共有するには、Google DriveやDropbox、OneDriveといったクラウドストレージサービスを利用するのが便利です。
(写真9:Google Driveなどのクラウドストレージにファイルをアップロードし、共有設定を行う画面を想定) 図9のように、クラウドストレージサービスにログインし、保存した録音データをアップロードします。アップロード後、共有したい相手がダウンロードできるような共有リンクを作成し、送付してください。
3. 編集担当への引き継ぎ
誰が編集を担当するか、事前に決めておきましょう。収録データを渡す際は、どのファイルがどの回の収録分なのか、特別な編集指示はあるかなどを明確に伝えると、編集作業がスムーズに進みます。
さらに音質を向上させるには
今回ご紹介した無料ツールを使った方法でも十分にPodcast収録は可能ですが、「もっと音質を良くしたい」「本格的に取り組みたい」と感じた場合は、以下の点を検討してみてください。
- Podcast専用ツールの利用: Riverside.fmやZencastrなどの専用ツールは、インターネット回線の影響を受けにくい高品質な録音方法(ローカルで高音質録音し、後でクラウドで結合する仕組みなど)を提供している場合があります。有料プランを検討すると、より多くの機能や高音質での録音が利用できます。
- 外部マイクの導入: USB接続のコンデンサーマイクなど、外部マイクを使用すると、内蔵マイクよりもはるかにクリアで豊かな音声を録音できます。
- 静かで響かない環境: 防音や吸音の工夫がされた環境で収録することで、不要なノイズや反響音を減らすことができます。完全に防音された場所でなくても、布を多めに配置したり、クローゼットの中など反響しにくい場所で録音するだけでも効果があります。
まとめ
オンラインで複数人Podcastを収録する方法は、場所に縛られず、手軽に始められるため、初心者の方に非常におすすめです。普段使い慣れた無料のオンライン会議ツールを活用すれば、すぐにでも友人や仲間と一緒にPodcast制作を始めることができます。
まずは今回ご紹介したステップを参考に、接続テストをしっかり行い、実際に収録に挑戦してみてください。複数人で協力しながら制作を進めることで、一人で行うのとはまた違った楽しさや発見があるはずです。
収録した音声ファイルを編集して、ぜひ皆さんのPodcastを完成させてください。編集の基本的な手順については、他の記事で解説していますので、そちらも参考にしていただければ幸いです。