はじめてのPodcast講座

写真でわかる！Audacityを使ったPodcast音声のカットとノイズ除去

Tags: Podcast編集, Audacity, 音声編集, ノイズ除去, カット編集, 無料ツール, 初心者向け

Podcastの録音は終わりましたか。お疲れ様でした。録音した音声ファイルは、そのまま配信することも可能ですが、より聞きやすいPodcastにするためには、不要な部分をカットしたり、気になるノイズを軽減したりといった編集作業を行うのが一般的です。

このガイドでは、無料で使える音声編集ソフト「Audacity（オーダシティ）」を使用して、Podcast音声の基本的な編集方法である「カット（不要部分の削除）」と「ノイズ除去」の手順を、写真を参照しながら分かりやすく解説します。

前回、まだAudacityをインストールしていない方は、まずは以下の記事を参照して準備を進めてください。

（※ここに過去記事「写真で解説！無料のAudacityでPodcastを編集する最初の一歩」へのリンクが入ることを想定）

なぜPodcastに編集が必要なのでしょうか

録音した音声をそのまま公開しても良いのですが、以下のような点があると聞き手は少し聞き疲れしてしまうかもしれません。

これらの要素を適切に編集で取り除くことで、よりスムーズでクリアな音声になり、リスナーが快適にあなたのPodcastを楽しむことができるようになります。

特に大学生の方など、時間や予算に限りがある場合でも、Audacityのような無料の高機能ツールを活用すれば、プロ並みの編集とまではいかなくとも、十分に聞きやすい音声に仕上げることが可能です。

Audacityで音声ファイルを読み込む

まず、編集したい音声ファイルをAudacityに読み込みます。

  1. Audacityを起動します。
  2. メニューバーの「ファイル」から「開く」を選択します。（図1参照）
  3. 表示されるウィンドウで、編集したい音声ファイルを選択し、「開く」をクリックします。

ファイルが読み込まれると、Audacityの画面に音声の「波形（はけい）」が表示されます。この波形を見て、音声の大小や無音部分などを判断します。

不要な部分をカット（削除）する

録音中にできた長い間や言い間違い、咳払いなどの不要な部分を削除する手順です。

  1. 削除したい部分を見つける: 画面に表示された波形を確認しながら、削除したい部分を探します。波形が平坦になっている部分は無音に近い部分、ギザギザが大きい部分は大きな音が入っている部分です。（図2参照） 画面上部の再生ボタン（▶）をクリックして音声を聞きながら、どこをカットしたいか確認しましょう。再生位置は波形の上をマウスでクリックすると移動できます。

  2. 削除したい部分を選択する: 波形の削除したい部分の始まりにマウスポインターを合わせ、左クリックを押したまま削除したい部分の終わりまでドラッグします。選択範囲が灰色になります。（図3参照） 選択範囲の端は、ドラッグ後に再度クリック＆ドラッグで微調整することも可能です。

  3. 選択した部分を削除する: 選択範囲が灰色になっていることを確認し、キーボードの「Delete」キーを押すか、画面上部のカットボタン（ハサミのマーク）をクリックします。（図4参照） 選択した部分が削除され、前後の音声が繋がります。波形が削除された分だけ縮まっているのが確認できます。（図5参照） もし間違って削除してしまった場合は、メニューバーの「編集」から「元に戻す」を選択するか、「Ctrl+Z」（Macの場合は「Cmd+Z」）を押すと一つ前の状態に戻せます。

この手順を繰り返して、不要な間や言い間違いなどを一つずつカットしていきます。

ノイズを除去する

エアコンの稼働音やPCのファン音など、録音中に constant に（一定して）入ってしまうノイズを軽減する手順です。Audacityの「ノイズ抑制」エフェクトを使用します。完全にノイズをなくすことは難しい場合が多いですが、かなり目立たなくすることができます。

  1. ノイズプロファイルを取得する: まず、音声の中で「ノイズだけが入っていて、話し声などが入っていない」部分を特定します。録音開始前後の無音部分などが ideal （理想的）です。そのノイズのみの部分を、先ほどのカットの時と同じようにマウスでドラッグして選択します。（図6参照） 次に、メニューバーの「エフェクト」から「ノイズ抑制」を選択します。（図7参照） 開いたウィンドウで、「ステップ1」の下にある「ノイズプロファイルを取得」ボタンをクリックします。（図8参照） これでAudacityは、選択した部分の音声を「ノイズの見本」として認識しました。ウィンドウは一度閉じられます。

  2. 音声全体にノイズ抑制を適用する: 次に、今取得したノイズプロファイルを元に、音声全体のノイズを抑制します。 音声全体にエフェクトを適用したい場合は、波形表示エリアの左上にあるトラック名の部分をクリックして、トラック全体を選択状態にします。（図9参照）または、キーボードの「Ctrl+A」（Macの場合は「Cmd+A」）でも全選択できます。 再度、メニューバーの「エフェクト」から「ノイズ抑制」を選択します。 開いたウィンドウには、いくつかの設定項目（ノイズ抑制、感度、周波数平滑化など）が表示されます。「ステップ2」の部分です。（図10参照） これらの設定は、お使いのマイクや録音環境によって最適な値が異なりますが、最初はデフォルトの値のままで問題ありません。必要に応じて、何度か試しながら調整することをおすすめします。 設定が決まったら、「OK」ボタンをクリックします。

エフェクトが適用されるまで、少し時間がかかる場合があります。処理が終わると、波形が少し変化しているのが確認できるかもしれません。

編集結果を確認する

カットやノイズ除去の編集が終わったら、必ず音声を聞き直して、編集が意図通りに行われているか、音声に不自然な点はないかを確認してください。

再生ボタン（▶）をクリックして、最初から最後まで通して聞いてみましょう。不要な間や音、ノイズが軽減されているか確認します。 もし、カットしすぎたり、ノイズ抑制が強すぎて声が不自然になったりした場合は、「元に戻す」（Ctrl+Z または Cmd+Z）でやり直して、再度編集を試みてください。

まとめ：編集でリスナーに優しいPodcastを目指しましょう

今回は、Audacityを使ったPodcast音声の基本的なカットとノイズ除去の方法をご紹介しました。これらの編集を行うことで、あなたのPodcastはより聞きやすく、快適に楽しめるものになります。

特に無料ツールであるAudacityは、これらの基本的な編集機能が充実しており、初心者の方でも写真を見ながら手順通りに進めれば、十分に高品質な音声に仕上げることが可能です。

もちろん、音声編集には他にも音量調整やBGM・効果音の追加など、様々なテクニックがあります。しかし、まずは今回ご紹介したカットとノイズ除去をマスターすることから始めてみましょう。これだけでも、Podcastの聞きやすさは格段に向上します。

編集作業を通して、自分の声や話し方、そしてリスナーにどのように届けたいかが見えてくることもあります。Podcast制作の楽しさをぜひ感じてみてください。

（※ここに次回の記事への示唆や、他の編集関連の記事への誘導が入ることを想定）